授業をつくるTV

このブログでは,youtube「授業をつくるTV」と連動して,子どもと教師,子ども同士のやり取りから,授業の姿やそれを作り出す教師の思いを考えていきます。

自主学習を変える~自分で自分を成長させるための自主学習に~

自分が住む地域では,家庭学習(宿題)は4つ出されます。

1.音読(主に国語の教科書)

2.漢字練習(漢字ノート1ページ)

3.算数プリント(1枚)

4.自主学習(1ページ以上)だいたい3,4年生から始まる。

しかし,以前から,この組み合わせは,課題が多いと感じていました。

 

課題①子どもが「宿題=やらされている」という意識をもっている。

課題② 唯一,子どもが主体的に取り組む自主学習も,漢字練習,算数プリントがあることで,じっくり取り組むことが難しく,また,自主学習についても「ただ終わらせればいい」という意識が生まれやすい。

 

自らの成長のために,家庭学習に取り組む子どもを育てるためにはどうしたらよいか。

キーとなるのは,やはり「自主学習」です。自主学習を家庭学習の中心に添えて,新しい取り組みを始めてみました。

 

自主学習のよさについて考えさせる

 まずは,自主学習のよさを子どもたちに考えさせることから始めました。

「自主学習のよさって何だろう?」の問い掛けに,子どもからは…

・苦手をなくすことができる。

・苦手を知ることができる。

・まとめる力がつく。

・調べる力がつく。

・続ける力がつく。

・自分の興味のあることを調べられる。

 

さらに,私から…

・自分から学ぼうとする力がつく。

・工夫する力がつく。

・学習を計画する力がつく。

・学習を楽しむ力がつく。

 

これらの力は,自分で自分を成長させることができる「大切な力」で,先生から与えられた課題をこなすだけの宿題では,つかないことを伝えました。

 

自分で自分を成長させるための自主学習に変えていこう

自主学習は大きく2つに分かれます。

自分の苦手をなくす

バッチリメニュー

・新出漢字練習

・漢字テストの練習

・新しい言葉の意味調べ

・算数プリント

・教科書の問題の復習

・理科の復習

・理科の実験手順・道具のまとめ

・社会の復習

・テストの間違い直し

 

興味があることをやろう!

ワクワクメニュー

・ことわざ調べ

・四字熟語調べ

・読書と感想,おすすめの本の紹介

・作家活動(物語づくり)

・新聞記事を読んで感想

・数の不思議

・都道府県調べ

・世界の国調べ,国旗調べ

・歴史上の人物調べ

・動物・植物調べ

・理科・社会などで興味をもったこと調べ

・英語調べ

・不思議に思ったこと調べ

 

自主学習というとワクワクメニューを思い浮かべます。

しかし,興味のあることだけを調べていては,苦手をなくすことはできません。逆に,苦手をなくすバッチリメニューばかりをやっていては,だんだんとつらくなってきます。

そこで,子どもたちには,理由を説明しながら,「一週間の中で,バッチリとワクワクが同じぐらいになるように取り組もう」と伝えました。

また,自主学習には,始めに「日付」と「今日のめあて」を,最後に「感想(振り返り)」を書かせるようにしました。

 

今週やりたいことを計画しよう

今週やりたい自主学習を計画する時間を,月曜日に設定しました。(5分ほどです)

今週やりたい「バッチリメニュー」「ワクワクメニュー」を,自主学習ノートに簡単に書かせます。もちろん計画なので,その通りにならなくともOKです。当日にメニュー考えることをできるだけなくすための計画です。

 

バッチリのプリントコーナー

バッチリメニューでは,算数の苦手をなくそうと考えている子どもが多いです。しかし,自分で算数の問題を作って(探して)自主学習を行うことは,かなり難しいです。

そこで,子どもが自分の能力に合わせて,算数プリントを選べる「バッチリプリントコーナー」を作りました。(下記のようなケースを3つ購入しました)

算数の基礎的なプリント,算数の発展的なプリント,国語の言語のプリントを,3つのケースにそれぞれ入れて,教室に置きました。

子どもは,自分の興味や能力に合わせて,取り組みたいプリントを選ぶことができます。(プリントの裏には,答えが印刷されています)

プリントは算数の単元が進むごとに定期的に入れ替えます。

また,プリントは折って,自主学習ノートに貼って提出します。

 

アイリスオーヤマ レターケース 超浅型14段 LCE-14S ホワイト

アイリスオーヤマ レターケース 超浅型14段 LCE-14S ホワイト

 

 

ワクワクのために本を借りておこう

ワクワクメニューのために図書館で本を借りておくことも進めました。(強制ではないです)

例えば,月曜日に「今週は雲について調べてみたい」と思ったら,図書館から雲の本を借りて,その中で興味をもった内容を自主学習ノートにまとめます。必要な情報を自ら取得する力も育てることができます。

 

家庭学習のメニュー

一週間の家庭学習のメニューを下のように変えました。自主学習を2ページとし,それとは別に,教師が漢字練習と算数プリントを一日おきに出すことにしました。本当は自主学習だけで,子どもが学習に取り組むことがベストなのですが…教師が意図的に出す宿題も残しました。これが吉とでるか凶と出るか…

月~金 音読+自主学習2ページ

月,水,金 算数プリント1枚(教師が出す)

火,木,土 漢字練習1ページ(教師が出す)

 

自主学習を見合う時間 

自主学習を見合うことで,自主学習のよいまとめ方をイメージさせることができ,自主学習への意欲も高まります。

①自主学習ノートを広げて自分の机に置く。

②よいと思った自主学習があったら,ノートの上の余白に正の字で1票を入れる。

ルール

友達の自主学習のよい部分を見つける。マイナスな部分を探したり,口に出したりしない。個人個人で静かに見て回る。

 

子どもたちは,真剣な表情で友達の自主学習ノートを見て回りました。(0票の子どもがいないように,教師も票を入れて回りました)よい自主学習ノートのまとめ方を共有でき,さらに,「自分もそうしてみよう,頑張ってみよう」という意欲をもつことができたようです。

この見合う時間を定期的に設定しようと思いました。自分への票(正の字)がだんだん多くなると,面白いなと思いました。

 

 成長ノートに自主学習についての思いを書かせる 

成長ノートに「自主学習について思うこと」を書かせました。

「正直に書いていいからね」と伝えてから書かせました。本当に正直な気持ちを書いてくれた子どもが多かったです。

何をするか決めるまでに時間がかかってしまうと書いていた子どもが何人かいました。

 

翌日,「選ぶ力」について子どもたちと話し合いました。

「選ぶのに20分はかかる…大変だということが分かりました。けれど,選ぶことも自主学習で身に付く大切な力なんです。例えば,将来,自分で本を買って,何かについて学習するときが来ると思います。そのときに,たくさんある本の中から,どの本を選ぶのか。また,その本を学習するときに,前から順番に学習していくのか。目次を読んで自分に必要なところを選んで学習するのか。選ぶことで,学習に掛かる時間が全く違ってきます。選ぶ力がつくと,学習する時間を短くすることができます。自主学習をするにつれて選ぶ力がついてくれば,何をするか決める時間も20分が,10分,5分と,きっと短くなっていきますよ。」

子どもたちが心から納得したかどうかは分かりません。しかし,皆,真剣な表情で聞いていました。

主体性を育むことは…

主体性を育むことは,「自らが選択できること」にあると思います。しかし,自分で選びなさいと突然言われても,子どもは何を選択してよいのか分からなくなります。そのために,教師にできることは,選択できるものについて,「たくさんの情報を与えること」です。「こんなものがある」「こんなこともできる」できるだけいいイメージで,選択肢をたくさん与えることだと思います。

 

これらの自主学習の取り組みを行う上で,大変参考にした本を貼っておきます。(バッチリ,ワクワクメニューもこの本を参考にしました)

 

子どもの力を引き出す自主学習ノート 実践編 (ナツメ社教育書ブックス)

子どもの力を引き出す自主学習ノート 実践編 (ナツメ社教育書ブックス)

 

 

 新しく取り組み始めた自主学習が,この後,どのようになっていくか。また,試行錯誤しながら進めていこうと思います...