授業をつくるTV

このブログでは,youtube「授業をつくるTV」と連動して,子どもと教師,子ども同士のやり取りから,授業の姿やそれを作り出す教師の思いを考えていきます。

「個」を大事にした学び合いはできないか!?

MAX40人学級...

今年度は,5年生MAX40人学級です。

例えば,算数の時間。

「分からない」と手が止まっている子どもがいたとします。

2~3人は丁寧に対応することができたとしても,その人数が増えると,教師一人では対応することが難しくなります。

そのため,子ども同士の「学び合う時間」がどうしても必要になってきます。

 

よい学び合いでは「自分たちで解決している」「自分たちで学び続ける」という主体性が生まれます。

教師の説明よりも,子ども同士で解決した方が学習意欲は高まっていきます。

 

学び合いには,全体やグループ,ペアなど,様々な学習形態が存在します。

ここでは主に「グループでの学び合い」を取り上げます。

 グループで学び合うよさは,たくさんあると思います。

しかし,経験上,課題もあると思うのです…

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 学び合いの課題とは…

・教わる子どもがいつも同じになる。

     ⇩学び合うほど…

・その子どもは教えられることが当たり前となっていく。

     ⇩結果…

・「自分で解決しよう」という姿勢がなくなっていく。

 

一人で考えることをあきらめてしまう,すぐに教えてもらおうとする子どもが出てきます。

まずは個で「粘り強く問題に向き合って考える」という姿勢が失われていくように感じることがあるのです。

 

学び合いというと「関わり合うこと」が一番大事であると捉えがちです。

しかし,私は最近「個を大事にすること」が学び合いにとって一番大事なのでは…と考えるようになりました。

 

個で考える時間を設定すると…

すぐに教え合う傾向が強くならないようにするために「個で考える時間」をしっかりと設定することが考えられます。

「一斉(課題の共有)」→「個で考える時間」→「グループで学び合う時間」⇆「全体(考えの共有)」→「個に戻って考える時間」と区切ったサイクルで学び合いの時間を設定します。

しかし,最初の「個で考える時間」で全く考えをもてない子どももいます。

「粘り強く問題に向き合って考えてほしい」のですが,「分からないままじっとしてる時間も短くしたい」のです。

つまり,問題の答えや解き方そのものではなく,それぞれの個の状態に応じた気付きやヒントとなるものを「少しだけ」「自然に」受け取ることができる「学び合い」を作りたいのです。

 

教師の支援(ファシリテート)…

そのような状態を作り出す方法として,一つは教師の適切な支援「ファシリテート」が考えられます。

「学びの共同体」で言われている教師の仕事「聴く」「つなぐ」「もどす」の3つです。

個やグループの状態を教師が把握し,学びが深まるように適切な支援を行います。

詳しく知りたい方は「学びの共同体」で調べてみてください。

 

しかし,教師の支援(ファシリテート)以外にも,上記で述べたように「個を大事にする」という意識が,教師と子どもの両方に必要だと思うようになりました。

その気持ちは,秋田で授業を参観したことで,よりはっきりとしてきました。

 

秋田で見た学び合い…

昨年,秋田県のある公立学校の公開研究会を視察しました。その際に見た学び合う姿が自分の求めていた姿にしっくりと当てはまったのです。

 

算数の自己解決の時間。

子どもたちは4人の班を作り始めます。

その後,班を作ったにも関わらず,まずは個でノートに自分の考えを書いていきます。

しかし,自己解決を進める中で「考えても分からない」や「考えが行き詰まる」子どもも当然出てきます。

そのとき,とても自然な形で,必要なことだけを教え合う「学び合い」が起こるのです。

分からない子どもが分からない部分について,周りの友達に聞きます。

そうすると,その友達は,その子どもの分からない部分を理解し,解き方のヒントを与えます。

分からない子どもはヒントから「あっ,なるほど」と解き方に気付いたら,またすぐに個に戻って自分の考えをノートにまとめていきます。

ここには,個で考える時間→グループで話し合う時間などの区切りはなく,班の中で「必要なときに必要なことだけを学び合う」が自然に行われていました。

 

この姿は,自分が求めていた『それぞれの個の状態に応じた気付きやヒントとなるものを「少しだけ」「自然に」受け取ることができる学び合い』です。

自分の学級にも,そのような自然で緩やかな学び合いの姿を作り出したい…

そして,そのような姿はどのようにして作り出されていくのだろうと考えました。

(今も考えています…)

 

個を大事にした学び合い 

一つ,たどり着いたのは…やはり「個を大事にする」ことではないかと思うのです。

子どもたち一人一人が「個で考えることが大事である」と,心の中で強く思うことだと思います。

個で問題と向き合うことは「自分自身と向き合う」ことにつながります。

「自分自身と向き合う」こと無しに,人は成長しません。

さらに,学び合う中で大事にしているのは,「自分の考えをアウトプットする」ことです。

図,式,言葉などを使い,自分の考えをしっかりとノートに表現することです。

このまとめる速さが,秋田の子どもたちはとても速いのです。

それは,自主学習に力を入れている秋田県だからなのでは…とも思いました。

 

 つまり…必要なことは…

『それぞれの個の状態に応じた気付きやヒントとなるものを「少しだけ」「自然に」受け取ることができる学び合い』

このような状態を作り出すために必要なこと(今の時点で自分が考えていること)は…

①「個で問題と向き合うことが大事」という意識を子どもも教師ももっている。
②まずは「どこから・どこが・分からないのか」を子どもが自分で考える。
③分からない部分について「ヒントを受け取ろう」と行動をする。(情報の取得)
④教える側は,直接的な答えではなく考えのヒントを教えるという意識をもつ。(すべてを教えることは友達のためにならない。考える機会,つまり成長の機会を奪ってしまう。)
⑤一人一人が自分の考えをノートに表現すること(アウトプット)を大切にしている。

基盤となる部分は,やはり①だと思います。

この状態に「教師の支援(ファシリテート)」が加わったり,また,「子どもに問いをもたせる(ずれ→問い)」を加えたりすると,さらに,主体的に学びが深まる状態を作り出せると思います。

 

なので,まずは①~⑤の状態になるように,自分の学級でやってみようと思います。

きっと,やってみてうまくいかないことが出てくるでしょう。

どうなるか…また,試行錯誤の日々ですね…